6月15日 京都府・宇治市――雨にけむる平等院と、時間の静寂

雨にけむる平等院と、時間の静寂
日本紀行
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6月15日 京都府・宇治市――雨にけむる平等院と、時間の静寂

京都府・宇治市にある*平等院鳳凰堂(びょうどういん ほうおうどう)は、藤原時代の浄土庭園を今に伝える世界遺産。十円硬貨でもおなじみのこの建物は、雨の季節になると、いっそう幻想的な美しさを見せてくれます。

6月15日頃、梅雨の静けさに包まれた鳳凰堂は、水面にその姿を映しながら、まるで“時間そのもの”が止まっているかのよう。
観光客が少ない雨の日には、宇治川からの風が池にさざ波を立て、緑を濃くした樹々が建物を優しく囲みます。

そして、鳳凰堂の背後には、しっとりと濡れたあじさいが色とりどりに咲き始めています。
青、紫、白――それぞれの花が少しずつ違う表情を見せながら、庭の奥で静かに季節の声を伝えてくれます。

この場所の魅力は、「永遠のような一瞬」。
雨音に包まれたとき、人ははじめて、自分の鼓動のように“静寂”を感じるのかもしれません。

今日は、「とどまることの豊かさ」を感じる日。
忙しさに追われる日々の中で、何もせず、ただ眺めるだけの時間を過ごしてみてください。

静けさのなかで、ほんとうに大切なものが見えてくる。
鳳凰が舞い降りるその瞬間のように、あなたの心にも凛とした静寂が宿りますように。

雨にけむる平等院と、時間の静寂
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