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6月22日 長野県・戸隠――杉並木の参道と、霧に浮かぶ静謐
長野県・長野市戸隠(とがくし)は、古くから修験の地として知られる霊山のふもと。中でも戸隠神社・奥社(おくしゃ*へと続く参道は、200本を超える杉の大木が並び立つ、神秘的な道のりです。
6月22日、この頃の戸隠は、梅雨の空気を含んだ霧や薄曇りが立ちこめ、参道全体がまるで「山の呼吸」の中に包まれている」ような空間となります。
歩くたびに、しっとりと濡れた土の匂い、鳥の声、風に揺れる葉のざわめきが身体に染みわたってくる――そんな五感が開かれる時間が広がっています。
奥社へと向かう道は、平坦ではありませんが、石畳や木の根がつくる道の曲線が、まるで自然と会話しているかのように感じられます。
霧の向こうにうっすらと浮かぶ社殿の姿は、現実と非現実のあわいに立っているような、不思議な静けさを与えてくれます。
この道を歩くこと自体が、ひとつの「祈り」なのかもしれません。
何も語らず、何も急がず。ただ一歩ずつ、呼吸とともに進んでいく――それが戸隠の参道の本質です。
今日は、自然の中で「静けさとつながる日」。
声を出さずに心を澄ませることで、ふだんは聞こえない風景の声に出会えるかもしれません。
霧の中を歩くとき、人は自分の輪郭を見つめ直す。
その静けさを、今日は大切に抱いてみてください。

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