2025年12月31日(水):香川県・金刀比羅宮――大晦日の石段と、新しい年の灯り

香川県・金刀比羅宮
日本紀行
目次

はじめに:大晦日の石段と、新しい年の灯り

香川県琴平町に鎮座する金刀比羅宮は、「さぬきこんぴらさん」と呼ばれ親しまれてきた海の守護神。
大晦日、785段の石段を登る参拝者の手には灯りが揺れ、境内には厳かな気配が漂います。年の瀬を振り返りながら登る石段の一歩一歩が、新しい年への祈りにつながっていきます。


金刀比羅宮という舞台:海と旅を守る神

海の神を祀る古社

金刀比羅宮は大物主神(おおものぬしのかみ)を主祭神とし、古来より航海や海上安全の神として篤い信仰を集めてきました。江戸時代には「一生に一度はこんぴら参り」と言われ、多くの人々が全国から訪れました。

石段の参道

御本宮へは785段、さらに奥社まで登ると1,368段。長い石段は厳かな参道そのものであり、大晦日にはその石段を登る人々の列が夜の光の帯となります。


大晦日の金刀比羅宮を歩く一日

昼――年越し準備の賑わい

門前町は正月を迎える準備で賑やか。うどん店や土産物屋の前には人だかりができ、参拝前に腹ごしらえする人も多く見られます。年の瀬の空気に包まれた参道は、活気と期待感に満ちています。

夜――石段と灯り

大晦日の夜、参拝者が石段を登る列は幻想的な光景に。提灯や手元の灯りが石段を照らし、ひとりひとりの祈りが光の粒となって連なります。途中の大門や御本宮に近づくにつれ、鐘や鈴の音が響き渡り、心を清めてくれます。

深夜――新年を迎える祈り

除夜の鐘とともに、新しい年の訪れ。御本宮で手を合わせれば、寒さの中でも心が温まり、祈りの声が夜空に溶けていきます。讃岐平野の夜景を見下ろす景色も、この瞬間ならではの美しさです。


過ごし方ガイド:登る/祈る/味わう

登る(石段参拝)

  • 785段の石段は大晦日だからこそ特別な意味を持つ。
  • 防寒具と歩きやすい靴を備えて、ゆっくりと登るのがおすすめです。

観る(大晦日の行事)

  • 境内では除夜祭が執り行われ、厳かな雰囲気に包まれます。
  • 鐘や鈴の音が響く夜の杜は、一年の締めくくりにふさわしい荘厳さ。

味わう(門前町の名物)

  • 讃岐うどんはもちろん、甘酒や名物「灸まん」なども参拝前後の楽しみ。
  • 年の瀬の屋台も出て、冬の夜を温めてくれます。

物語を彩る風景

大門

参道の途中にそびえる大門は、金刀比羅宮の象徴。夜の光に浮かぶ姿は壮麗で、登拝の節目となります。

御本宮からの眺望

参拝を終えて振り返れば、讃岐平野と遠く瀬戸内海まで見渡せる夜景。新しい年の幕開けにふさわしい光景です。


天候別の楽しみ方

晴れ

星空と街の夜景が輝き、参拝後の景色が格別に。

曇り

石段や境内の灯りがやわらかに広がり、幻想的な雰囲気に。

小雨

濡れた石畳が光を映し出し、幽玄な大晦日の情景に。


今日のひとこと

「一歩ごとの祈りが、新しい年を照らす」
金刀比羅宮の大晦日参拝は、歩むほどに心が澄んでいく体験です。


まとめ

  • 金刀比羅宮は「一生に一度は参りたい」とされる海の神の聖地。
  • 大晦日は石段を登る灯りと祈りが重なり、荘厳で幻想的な夜を描き出す。
  • 門前町の味覚や夜景とともに、新年を迎える特別な一夜を堪能できる。
香川県・金刀比羅宮
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