6月8日 山形県・山寺(立石寺)――雨にけむる石段と静けさの風景

山形県・山寺(立石寺)――雨にけむる石段と静けさの風景
日本紀行
目次

6月8日 山形県・山寺(立石寺)――雨にけむる石段と静けさの風景

山形県・山寺(やまでら)こと立石寺(りっしゃくじ)は、「閑さや岩にしみ入る蝉の声」という芭蕉の句でも知られる、東北屈指の霊場。山肌に沿って築かれた1,000段を超える石段を登りながら、参拝者は静けさの中に身を置くことになります。

6月の山寺は、梅雨の走りの雨にけむる情景が印象的です。
苔むした石段に、雨粒がそっと染みこみ、杉の大木の枝から落ちる水が音もなく地面を打ちます。登る足音も、吐く息も、どこか遠くへ吸い込まれていくような、**「無音の美しさ」**が漂っています。

雨の日の山寺では、観光客の姿もまばらで、かえってその本来の静謐さにふれることができます。五大堂の展望台から見下ろすと、霞む山々と町並みが溶け合い、まるで時代を越えた風景に包まれているような錯覚すら覚えます。

この場所の魅力は、“音のない時間”にあります。
雨の匂い、しっとりとした空気、足裏に感じる石の冷たさ――すべてが五感で受け取る「沈黙の風景」です。

今日は、自分の内側と向き合う静かな日。
自然が語りかけてくるのではなく、ただそこにあるものを、ありのままに受け取ってみてください。

風景が語らないときこそ、心の声が聞こえるもの。
雨の日の石段は、あなたの中の静けさを呼び覚ましてくれるかもしれません。

山形県・山寺(立石寺)――雨にけむる石段と静けさの風景
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

目次