6月28日 鳥取県・大山――ブナの森をわたる涼風と、緑の静けさ

ブナの森をわたる涼風と、緑の静けさ
日本紀行
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6月28日 鳥取県・大山――ブナの森をわたる涼風と、緑の静けさ

鳥取県・大山(だいせん)は、中国地方最高峰の名峰にして、古来より「伯耆富士(ほうきふじ)」とも呼ばれる美しい山。6月下旬の大山は、深いブナ林が蒸し暑さをやさしく遮る、天然の涼風地帯です。

大山寺から大神山神社奥宮へと続く石畳の参道。
その両脇には、樹齢100年を超えるブナの木々が連なり、空を覆うようにして緑の天井をつくっています。
この時期、雨上がりの森はとくに美しく、濃くなった葉の緑と、湿った空気に包まれることで、まるで“森に抱かれている”ような感覚になります。

足元には苔がふかふかと広がり、鳥のさえずりが木々の間から響き、風の通り道がどこか神聖な気配をまとって吹き抜けていきます。
大山が人々の信仰の対象として長く敬われてきたことにも、自然に納得がいくような、静謐で穏やかな空間がここにはあります。

自然のなかで深呼吸すると、言葉より先に気持ちが整っていく。
森に入るとは、外界の音を閉じて、自分の内側に耳を澄ませる行為なのかもしれません。

今日は、「緑の静けさ」に身をゆだねる日。
言葉では届かない癒しを、森の空気が教えてくれるかもしれません。

静かであることは、弱さではない。
大山の森が教えてくれるのは、“黙って立つ強さ”です。

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